人は成長する。発達障害女子と第二次性徴の話。

第二次性徴って、聞いたことがありますか?

「第二次性徴(だいにじせいちょう)」という言葉を聞いたことはありますか?

これは、子どもから大人に身体が変わっていく中で起こることの1つです。
いわば、「成長」にともなって「誰にでも起こること」なのです。
いろいろな成長の過程において、第二次性徴は「10歳ごろから始まる」とされています。
(もちろん、人によって多少の前後は起こります)

第二次性徴で、男の子に起こること

男の子の第二次性徴はおおむね「下→上」に向かって起こる、と覚えましょう。
そして、女の子よりもゆっくり進んでいきます。
起こることを順番に見ていきましょう。

男の子の第二次性徴
  1. 陰嚢、精巣が大きくなる(袋の部分が少しずつ大きくなります)
  2. 陰茎が長くなる(これが、11歳から13歳半で起こるといわれています)
  3. 精管(精巣と陰茎をつなぐ管)と前立腺が大きくなる(外見ではわかりにくいです)
  4. 隠毛が生える(見た目としてはこれが一番大きな変化かもしれません)
  5. ひげ・脇毛が生えます(隠毛が生えてからここまで、2年くらいかかります)
  6. 射精ができるようになる(これは個人差が大きく、最後に起こること、とは言い切れません。12歳から14歳で見られることが多いです)

目に見える変化もあれば、目に見えない変化もあります。
そして、完全に終わるまでには5年ぐらいかかるのが、男の子の第二次性徴です。

第二次性徴で、女の子に起こること

では次に、女の子に見られる第二次性徴を見ていきましょう。
女の子の第二次成長は「上→下」に向かって起こると覚えておきましょう。

女の子の第二次性徴
  1. 乳房が発達する(胸が大きくなってきます。ここからスタートです)
  2. 脇毛・隠毛が生えてきます(脇毛→陰毛の順が多いですが、タイムラグはほぼありません)
  3. 丸みを帯びた体つきになってくる(お尻の形が丸くなったり、全体的に女性らしい体つきになります)
  4. 月経(生理)が始まります。(体重が35kgをこえたあたりから起こりやすくなります)
  5. 子宮・卵巣・膣・外性器が発達してきます(ここはわざわざ見ないと見えないところなので、外から見るとわかりにくい変化です。)
  6. さらに乳房の大きさが発達していきます

男の子が見えない変化や見える変化をいったりきたりするのに対し、女の子はまず「見た目」が変わってきて、そこから最後に内蔵的な変化がついてくる感じです。
男の子が5年くらいかかって変化するのに対して、女の子は3-4年で変化が見られます。
初経(最初の生理が起こること)の年齢の若年化も進んでいて、昔より第二次性徴がスピーディに進んでいきます。

非常に短い期間の中で、身体に大きな変化が見られます

第二次性徴は、短い期間の間に身体に大きな変化が見られるのが特徴です。
この時期は、「思春期」ともいわれ、身体の変化に伴って、心の方も変化します。
何の理由もなくイライラしたり、親の言うことにはとにかくはむかったり、いろいろです。
稀にこの「思春期のイライラ」がない子がいますが、この「思春期のイライラ」はあるほうが健全です。

実は発達障害女子の中に「第二次性徴」を受け入れられない子がいます

第二次性徴の話と、発達障害と、なんか関係があるの?何でこんな話を続けてるの?

そろそろ、こんな風に思われている方もいるのではないでしょうか。
その理由は、ただひとつ。

この「第二次性徴で起こる体と心の変化」を受け入れられない発達女子の存在を知ってもらうためです。


この本には、「第二次性徴についていけないこと」についての言及があります。
私がこの本を読んで、私の経験はそういうことだったのかと救われた本です。

あまりの急激な変化に、気持ちがついていかない

「第二次性徴がいつから始まるか」には個人差が大きいです。
そのため「周りが子どものままなのに、自分だけが大人になろうとしているタイミング」で第二次性徴が始まる子も、一定数存在します。
また、小学生というのは残酷で、そういった「身体面の変化」を「いじめ」や「からかい」に持ち込んだりします。

子どものままでいたいと願い大人になる自分を「気持ち悪い」と言ったりします

 受け入れられないのに、身体は止まらない 

「子どものままでいたい」「大人の女性にはなりたくない」そういう心理が働いたとしても、「第二次性徴」は「脳内や身体のホルモンの変化」なので、「気合」とかで止められるものではないのです。
「受け入れる心の土壌」ができる前に、「第二次性徴が終わる」ことだってあり得ます。

でも、誰にも第二次性徴は止められない

誰にも、第二次性徴を止める手段はありません。
年齢とともに始まって、自分が受け入れようが受け入れまいが、終わるまで止まらない。
終わったとしても、「使用後」のような状態を受け入れられるかはまた別の話です。

「共感」しなくても構わないけど気持ちに「よりそって」あげてほしい

わが子がそんなふうな精神状態になっていることに対して、共感することは、経験者でないと難しいかもしれません。
でも、もしそんな子を見かけたら、そっとよりそってほしい。
よりそってもらえるだけで、救われることがたくさんあるからです。

ここでいったん「よりそってもらえない」「分かってもらえない」という思いは、
おとなを信じない心に繋がったり、自分はおかしいのではないかという思いを生んだりします。
それは今後の親子関係も左右してしまいます。

「この先どうなるかが分からない」ことが不安な場合は、知ることでカバー

 
ただ、「わからないことが不安」というのもあると思います。
そういう場合は、以下のような本を一緒に読んでみたりするといいかもしれません。
 


少し右側の本は高度な内容かもしれませんが、現代を生きるには必要だと思っています。
こういったことをテーマに親子で話し合う機会はなかなか持てません。
有効にチャンスを生かしましょう。
 

いつか「女性になること」を受け止めないといけない時期は来る

 
それでも、いつか「女性になること」を受け入れる日が来ます。
「女性の身体に慣れた」だけかもしれません。
でも、確実に壁は乗り越えないといけない日がきます。

筆者の経験談は、動画で公開しています

まとめ

 

まとめ
  • 子どもは大人のミニチュアではありません。
  • 子どもから大人になるために「第二次性徴」という変化が身体に起きます。
  • ただ、女の子はかなり急激に外見が変化するため、発達障害の女子では受け入れられないことがあります。
  • 不安がいろいろな形で出てくることがあるかと思います。
  • そんな子がいたら、どうかよりそってあげてください。
  • また、「成長していくこと」について話し合ういいチャンスです。
  • 子どもが心を閉ざしてしまわないように、接していくことを心がけましょう

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みずき@精神科医
精神科の専門医。医学のツイートがメイン。(指定医・日本精神神経学会専門医&指導医)、自らもASD&ADHD&双極Ⅱ型。フルネーム:水城稜(みずき りょう) 注:医療相談には乗れません。